一生付き合う病気だからこそ大切にしたい「糖尿病との上手な付き合い方」
- 2026年5月7日
- 糖尿病
みなさん、こんにちは。阪急芦屋川駅前の内科・糖尿病内科「芦屋まつおクリニック」、院長:松尾俊宏(まつおとしひろ)です。
このコラムコーナーでは、私の専門分野である糖尿病や内分泌代謝疾患、肥満症、そして訪問診療や終末期医療などについて、患者さんのお役に立てる情報を発信していきたいと考えています。
はじめに
糖尿病と診断されたとき、多くの方が「これからどう生活していけばよいのだろう」と不安を感じるかもしれません。
糖尿病は完治を目指す病気というよりも、長く付き合いながらコントロールしていく病気です。
しかし、適切な治療と生活管理を続けることで、健康な人と同じように日常生活を送ることも十分可能です。
重要なのは、「無理なく続けられる生活習慣」を身につけることです。
今回のコラムでは、糖尿病の基本的な知識とともに、糖尿病とうまく付き合っていくためのポイントについて解説していきたいと思います。
【糖尿病とはどのような病気?】
血糖値が高い状態が続く病気
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。食事をすると血糖値は上昇しますが、通常は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって血糖値が調整されます。
しかし糖尿病では、
・インスリンの分泌が不足する
・インスリンの働きが弱くなる
といった原因によって血糖値が下がりにくくなります。
その結果、高血糖の状態が続き、血管や神経にダメージを与えてしまいます。
【糖尿病は「治す」より「コントロールする」病気】
糖尿病の治療を考える上で重要なのは、糖尿病は長く付き合う病気であるということです。
特に2型糖尿病の場合、一度発症すると体質そのものが変化しているため、完全に「治る」というよりも、血糖値を適切に管理していくことが治療の目的になります。
しかし、適切な管理を続ければ、
・合併症を予防できる
・健康な生活を維持できる
可能性が高くなります。
つまり糖尿病は、生活習慣を見直すことで上手に付き合っていける病気でもあるのです。
【糖尿病とうまく付き合うための3つのポイント】
糖尿病の治療では、次の3つが基本となります。
・食事療法
・運動療法
・医療管理(通院・服薬)
これらを無理なく続けることが、長期的な健康維持につながります。
【無理なく続ける食事療法】
食事療法は「制限」ではなく「バランス」
糖尿病の食事療法というと、「好きなものが食べられなくなる」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際には、極端な制限をする必要はありません。重要なのは、栄養バランスと食事量を適切に管理することです。
基本的なポイントは次の通りです。
・食べ過ぎを防ぐ
・栄養バランスの良い食事
・野菜をしっかり摂る
・糖質の摂り過ぎを控える
また、規則正しい食事時間も血糖管理にとって重要です。
【食事管理は専門家のサポートが重要】
糖尿病の食事管理は、自己流では難しいこともあります。
当院では、管理栄養士による栄養指導を行っています。
栄養指導では、
・食生活の問題点の確認
・食事バランスの改善
・外食時の注意点
・継続できる食習慣づくり
などをサポートし、患者さま一人ひとりに合った食事療法を提案しています。
【毎日の習慣にしやすい運動療法】
運動は血糖値を改善する
運動には次のような効果があります。
・血糖値を下げる
・インスリンの働きを改善する
・体重管理につながる
特に2型糖尿病では、運動療法は非常に重要な治療の一つです。
【継続しやすい運動を選ぶことが大切 】
運動療法で重要なのは、無理なく続けられることです。
おすすめの運動としては、
・ウォーキング
・軽いジョギング
・自転車
・ストレッチ
などがあります。
まずは「1日20〜30分のウォーキング」など、生活の中で取り入れやすい運動から始めてみましょう。
例えば、
・一駅分歩く
・エレベーターではなく階段を使う
といった小さな習慣も、長期的には大きな効果につながります。
【生活管理と定期受診の重要性】
定期受診で病状を確認する
糖尿病では、自覚症状がなくても病気が進行することがあります。
そのため、定期的な受診によって、
・血糖値
・HbA1c
・合併症の有無
を確認することが重要です。
適切なタイミングで治療を調整することで、病気の進行を防ぐことができます。
【服薬をきちんと続ける】
糖尿病治療では、飲み薬やインスリン治療が必要になる場合もあります。
薬の効果を十分に得るためには、
・医師の指示通りに服用する
・自己判断で中断しない
ことが大切です。
血糖値が改善しても、自己判断で薬をやめると再び血糖値が悪化することがあります。
【糖尿病合併症の予防も重要】
糖尿病では、高血糖の状態が長く続くと次のような合併症が起こる可能性があります。
・糖尿病網膜症(視力低下)
・糖尿病腎症(腎機能低下)
・糖尿病神経障害(しびれ)
また、動脈硬化が進むことで、心筋梗塞脳梗塞などのリスクも高まります。
当院では合併症の早期発見のために、
・動脈硬化検査(血管年齢検査・頸動脈エコー)
・神経伝導速度検査(末梢神経障害の評価)
などを実施しています。
【足の健康管理(フットケア)も重要】
糖尿病患者さんでは、神経障害や血流障害によって足のトラブルが起こりやすくなることがあります。
小さな傷でも悪化すると、
・足潰瘍
・感染症
などの原因になる可能性があります。
そのため、当院では糖尿病患者さまに対してフットケアも行い、足の健康管理をサポートしています。
【無理なく続けることが糖尿病管理のポイント】
糖尿病は、長く付き合っていく病気です。
しかし、適切な治療と生活習慣の改善によって、健康的な生活を維持することは十分可能です。
糖尿病とうまく付き合うためには、
・食事療法
・運動療法
・定期受診
・服薬管理
を無理なく続けることが大切です。
当院では、日本糖尿病学会糖尿病専門医、内分泌代謝科専門医、総合内科専門医の資格を持つ医師が診療を行い、患者さま一人ひとりに合った糖尿病管理をサポートしています。
また、
・管理栄養士による栄養指導
・フットケア
・合併症の早期発見のための検査
など、総合的な糖尿病診療を行っています。糖尿病と上手に付き合いながら、健康な生活を続けるためにも、気になることがあれば、芦屋まつおクリニックまでお気軽にご相談ください。 院長 松尾俊宏
