肥満症外来|合併症を含めた体重管理

〒659-0083 兵庫県芦屋市西山町11-18 CH.158 201号
0797-32-5070
WEB予約 インフルエンザ問診票
ヘッダー画像

肥満症

肥満症外来|合併症を含めた体重管理

兵庫医科大学病院勤務時代、肥満外科外来を立ち上げに参加させていただきました。糖尿病内分泌代謝科、上部消化管外科、精神科、看護科、栄養科、リハビリ科で減量チームを作り、チームでたくさんの患者さんの治療・減量に関わってきました。減量をすることは簡単ではありません。一人の努力では限界もあります。クリニックスタッフ全員で減量できるようにサポートしていきます。

肥満症

肥満に伴って糖尿病、高血圧症、脂質異常症などを合併し、減量が必要とされる病態が肥満症になります。単純性肥満と内分泌疾患などに伴う二次性肥満があり、単純性肥満でも内臓脂肪の蓄積は、メタボリックシンドロームの基盤となり、他の生活習慣病や動脈硬化性疾患の危険性が高まるといわれています。重度の肥満症では生活指導と併せて、薬物療法や超低カロリー食事療法などが行われることがあります。

ドクターズファイル

肥満定義

BMI(体重㎏÷身長m÷身長m)25㎏/m²以上が肥満になります。肥満により健康障害が生じているものを肥満症といいます。BMIの増加は、心筋梗塞や脳梗塞など重大な合併症の死亡リスクを高めます。

肥満健康障害

肥満症には下記の通り多くの合併症があります。

  1. 耐糖能障害(糖尿病)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患;心筋梗塞・狭心症
  6. 脳梗塞
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・不妊
  9. 睡眠時無呼吸症候群
  10. 運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症・手指の変形性関節症
  11. 肥満関連腎臓病

その他に、悪性疾患(大腸がん、膵臓がん、肝臓がん など)、胆石症、静脈血栓症、肺塞栓症、気管支喘息、胃食道逆流症などがあります。

治療法

生活指導

やはり生活習慣の改善が一番の治療法になります。
食事療法:体重、生活習慣によって1日の栄養量を考える必要があります。主治医、看護師と日々の生活を見直し、減量するための1日の必要カロリーを話し合いましょう。カロリーだけではなく栄養のバランスも大切です。糖質、タンパク質、脂質のバランスは難しい問題です。管理栄養士と自分にあった食事内容を決めていきましょう。食事は生活の中で非常に大切な習慣になります。しんどすぎると食事療法は続けられません。そのため、無理のない目標を設定して続けられるように一緒に頑張っていきましょう。

薬物治療

BMI 25~35の肥満症に使用できる肥満症のお薬はありません。糖尿病を合併している場合、減量に有効とされる薬剤もあります。患者さん一人一人の状態に合わせた治療を提案させていただきます。

肥満外科手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)

※兵庫医科大学病院で行っている治療です。
肥満症は全世界で問題になっています。生活指導、薬物治療ではうまくいかない方もいます。その時に治療として挙げられるのが、肥満外科手術になります。日本で唯一保険診療が認められている肥満外科治療は、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術になります。この治療は、いままでの内科的治療では難しかった大幅な減量を可能にしました。それだけではなく糖尿病、高血圧、脂質異常症など肥満による合併症を劇的に改善させます。さらに減量することで、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを低下させ、死亡リスクも軽減することができました(※文献1,2,3)。つまり減量することで健康な寿命を延ばすことが可能になりました。

この治療には手術の条件がいろいろあります。興味をお持ちの方はご相談ください。

文献

  1. Diabetes care 35: 2613-2617, 2012
  2. J Intern Med 273: 219-234, 2013
  3. Lancet Diabetes Endocrinol 5, 271-279, 2017

よくある質問

肥満症は病気ですか?

はい、治療の対象となる病気です。BMI25以上の「肥満」に加えて、糖尿病や高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害を伴う状態を「肥満症」と呼びます。体重そのものより、肥満によって健康が損なわれていることが問題です。意志の弱さではなく医学的に取り組むべきテーマとして、当院では肥満症の診療を行っています。

肥満症外来ではどのような治療を行いますか?

食事・運動を中心とした生活改善を土台に、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。院長は兵庫医科大学病院で肥満外科外来の立ち上げに参加し、内科・外科・精神科・栄養科などの減量チームで多くの患者さんの治療に関わってきました。減量は一人の努力だけでは難しいものです。当院でも医師・看護師・管理栄養士がチームで、続けられる減量をサポートしています。

食事だけで痩せられますか?

食事の見直しは減量の柱ですが、極端な制限は続かず、リバウンドの原因にもなります。大切なのは、カロリーだけでなく糖質・タンパク質・脂質のバランスを整え、無理のない目標を立てて続けることです。運動や睡眠などの生活習慣もあわせて調整すると、体重は落ちやすくなります。ご自身に合ったやり方を一緒に見つけていきましょう。

管理栄養士の栄養指導は受けられますか?

受けられます。当院には管理栄養士が在籍しており、普段の食事内容や生活リズムを伺ったうえで、その方に合った食べ方の工夫をご提案しています。「何をどれだけ食べていいかわからない」「自己流のダイエットがうまくいかない」という段階からで構いません。しんどすぎる方法では続かないため、続けられることを重視した指導を行っています。

薬で痩せることはできますか?

現在は、一定の条件を満たす肥満症の方に保険適用となる治療薬(ウゴービ、ゼップバウンドなど)があります。ただし、BMIや合併症などの条件に加え、6か月以上の食事・運動療法を行うことや、処方できる医療機関が学会認定施設などに限られるといった決まりがあり、誰でもすぐ使える薬ではありません。当院では状態を評価したうえで、適応の可能性がある方には専門施設への紹介も含めてご提案します。糖尿病を合併している方には、減量に有効とされる糖尿病治療薬が選択肢になることもあります。

体重が増えて疲れやすいのですが、病気が隠れていることはありますか?

あります。体重増加やだるさの背景に、甲状腺ホルモンの低下(橋本病など)をはじめとした病気が隠れていることがあるためです。当院では一つの症状だけでなく全身を総合的に評価し、血液検査などで原因を探ります。「食べすぎのせい」と思い込んでいた不調に、治療できる原因が見つかることもあります。甲状腺については甲状腺疾患のページもご覧ください。

肥満の手術(肥満外科手術)について相談できますか?

ご相談いただけます。生活改善や薬物療法で十分な減量が難しい高度肥満の方には、日本で保険適用が認められている腹腔鏡下スリーブ状胃切除術という選択肢があります。手術は兵庫医科大学病院などの専門施設で行われますが、院長は同院の肥満外科外来立ち上げに関わっており、適応の評価から紹介、術前術後のフォローまで連携して対応できます。

BMIがどのくらいになったら受診したほうがいいですか?

BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上で、血圧・血糖・コレステロールの異常、いびきや眠気、膝の痛みなど気になる症状や健診異常がある方は、一度受診をおすすめします。BMIが25前後でも、内臓脂肪がたまっているとメタボリックシンドロームとして動脈硬化が進みやすくなります。数値が基準に届くかどうかより、健康への影響が出始めているかが受診の目安です。

何度もダイエットに失敗してリバウンドしてしまいます。

リバウンドを繰り返すのは、意志が弱いからではありません。極端な減量は体が元に戻ろうとする反応を招きやすく、一人の努力には限界があります。当院では医師・看護師・管理栄養士がチームで関わり、無理のないペースで減量を続けられるよう伴走します。うまくいかなかった経験も含めてお聞かせいただければ、次のやり方を一緒に考えられます。

肥満症を放置するとどうなりますか?

糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風、脂肪肝、月経異常、膝や腰の関節障害など、多くの健康障害につながります。いびきや日中の眠気がある方は睡眠時無呼吸症候群を合併していることもあり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。減量はこれらをまとめて改善できる、いわば一番効率のよい治療です。健康への影響が出る前の段階からの取り組みをおすすめします。

監修者情報

松尾 俊宏(まつお としひろ)

監修者

松尾 俊宏(まつお としひろ)

芦屋まつおクリニック 院長

専門領域:糖尿病、甲状腺疾患、肥満症、睡眠時無呼吸症候群、生活習慣病、内科全般

資格

  • 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
  • 日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本甲状腺学会 会員
  • 医学博士

兵庫医科大学を卒業後、市立芦屋病院での臨床研修を経て、兵庫医科大学病院糖尿病内科に入局。大学病院では糖尿病・内分泌・肥満症の診療に従事し、肥満外科外来の立ち上げにも参画しました。GIP・GLP-1(インクレチン)やグルカゴンに関する研究を行い、筆頭著者として国際学術誌に論文を発表しています。兵庫医科大学 内科学 糖尿病・内分泌・代謝科の講師、市立芦屋病院 糖尿病内分泌内科 主任医長を経て、2024年2月に芦屋まつおクリニックを開院しました。

糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医として、糖尿病・甲状腺疾患・肥満症・睡眠時無呼吸症候群や健康診断での異常のご相談に対応するとともに、地域のかかりつけ医として内科全般を幅広く診療しています。

公開日更新日