睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。
睡眠中に呼吸が止まると、体内の酸素が不足し、眠りが浅くなります。そのため、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、日中の強い眠気やからだのだるさ、集中力の低下などを引き起こすことがあります。
また、睡眠中に低酸素状態を繰り返すことで、心臓や血管などにも負担がかかります。睡眠時無呼吸症候群は、単に「いびきが大きい」「昼間に眠くなる」というだけの病気ではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも深く関係しています。
症状があってもご自身では気づきにくく、ご家族からいびきや睡眠中の無呼吸を指摘され、初めて気づく方も少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中だけでなく、朝起きた時や日中にもさまざまな症状が現れます。
特に、ご家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と言われた方や、十分な睡眠をとっているにもかかわらず日中の眠気が強い方は、一度検査を受けることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群にはいくつかの種類がありますが、多くを占めるのが、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなることで起こる「閉塞性睡眠時無呼吸」です。
睡眠中は全身の筋肉がゆるむため、舌やのどの周囲の組織によって気道が狭くなりやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群を起こしやすくする原因として、次のようなものがあります。
肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きな原因の一つですが、肥満ではない方にも起こります。
「太っていないから大丈夫」と考えず、いびきや日中の眠気、睡眠中の無呼吸を指摘されたことがある場合はご相談ください。
肥満は、睡眠時無呼吸症候群と深い関係があります。
体重が増加し、首やのどの周囲に脂肪が蓄積すると、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、無呼吸や低呼吸が起こりやすくなります。
また、睡眠の質が低下すると、日中の眠気や疲労感から活動量が低下し、体重管理がさらに難しくなることもあります。
肥満症とは、単に体重が多い状態ではありません。肥満によって糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害が起こっている、または健康障害を起こすリスクが高い状態です。
当院では、体重だけを見るのではなく、血糖値、血圧、脂質などの状態や生活習慣を確認し、一人ひとりに合わせた治療を一緒に考えていきます。
必要に応じて、医師、看護師、管理栄養士と相談しながら、無理なく続けられる体重管理や生活習慣の改善を行っていきましょう。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返すことで、体内の酸素濃度が低下します。
そのたびに身体は強いストレスを受け、自律神経などにも影響を与えます。この状態が長く続くと、血圧や血糖などにも悪影響を及ぼすことがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、特に次のような病気と関係しています。
睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病は、別々に考えるのではなく、全身の状態を見ながら治療していくことが大切です。
当院では、睡眠時無呼吸症候群だけでなく、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症などについても診療しています。
現在これらの病気で治療を受けている方で、いびきや日中の眠気がある場合や、ご家族から睡眠中の無呼吸を指摘されている場合はご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、問診や診察を行ったうえで、睡眠中の呼吸状態を調べます。
検査には、簡易検査や精密検査であるポリソムノグラフィー(PSG)があります。
睡眠中の呼吸の状態、いびき、血液中の酸素濃度などを測定し、睡眠中に無呼吸や低呼吸がどの程度起こっているかを確認します。
身体への負担が少なく、睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べるために行われる検査です。
簡易検査の結果などから、より詳しい検査が必要と判断された場合には、ポリソムノグラフィー(PSG)を行います。
呼吸の状態だけではなく、脳波、心電図(心拍数)、筋電図(歯ぎしりなど)、酸素濃度などを測定し、睡眠の状態を詳しく評価する検査です。
検査結果だけでなく、日中の眠気などの症状や、肥満症、高血圧、糖尿病などの合併症も確認しながら、治療方法を検討していきます。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は、無呼吸の程度や症状、原因、合併している病気などによって異なります。
検査結果と患者さんの状態を確認し、生活習慣の改善、マウスピース、CPAP療法などから適切な治療方法を検討します。
肥満がある場合には、減量によって睡眠時無呼吸症候群が改善することがあります。
ただし、急激なダイエットを行うのではなく、食事内容、運動習慣、現在の病気や治療内容などを確認しながら、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。
また、飲酒によって睡眠中にのどの筋肉がゆるみ、無呼吸が悪化することがあります。特に就寝前の飲酒習慣がある方は、飲酒量や時間を見直すことも大切です。
患者さんによっては、寝る姿勢を工夫することで無呼吸が軽減することもあります。
患者さんの状態によっては、睡眠中に専用のマウスピースを装着する治療を行うことがあります。
下あごを少し前に出した状態に保つことで、睡眠中の気道を確保しやすくする治療です。
適応については、検査結果などを確認したうえで判断します。
CPAP(シーパップ)療法は、睡眠中に鼻に装着したマスクから一定の圧力で空気を送り、気道が閉じることを防ぐ治療です。
睡眠中の無呼吸や低呼吸を減らし、睡眠の質の改善を目指します。
CPAP療法は、装着して終わりではありません。継続して治療を行うためには、使用状況や症状の変化を確認し、必要に応じて治療を調整していくことが大切です。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠だけの問題ではありません。
肥満症、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と深く関係しているため、睡眠の状態だけでなく、全身の状態を確認しながら診療を行うことが大切です。
当院では、糖尿病、内分泌代謝、一般内科の診療経験を生かし、血糖値、血圧、体重、脂質なども含めて患者さんの状態を確認します。
また、肥満症を伴う方については、単に「体重を減らしましょう」とお伝えするのではなく、現在の生活習慣や治療内容を確認しながら、一人ひとりに合わせた改善方法を一緒に考えていきます。
必要に応じて、看護師や管理栄養士とも協力し、無理なく継続できる治療を目指します。
大きないびきが気になる方、日中の眠気や疲労感が続いている方、ご家族から睡眠中の無呼吸を指摘された方はご相談ください。
また、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症などで治療中の方で、睡眠について気になる症状がある場合も、一度ご相談ください。

監修者
松尾 俊宏(まつお としひろ)
芦屋まつおクリニック 院長
専門領域:糖尿病、甲状腺疾患、肥満症、睡眠時無呼吸症候群、生活習慣病、内科全般
兵庫医科大学を卒業後、市立芦屋病院での臨床研修を経て、兵庫医科大学病院糖尿病内科に入局。大学病院では糖尿病・内分泌・肥満症の診療に従事し、肥満外科外来の立ち上げにも参画しました。GIP・GLP-1(インクレチン)やグルカゴンに関する研究を行い、筆頭著者として国際学術誌に論文を発表しています。兵庫医科大学 内科学 糖尿病・内分泌・代謝科の講師、市立芦屋病院 糖尿病内分泌内科 主任医長を経て、2024年2月に芦屋まつおクリニックを開院しました。
糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医として、糖尿病・甲状腺疾患・肥満症・睡眠時無呼吸症候群や健康診断での異常のご相談に対応するとともに、地域のかかりつけ医として内科全般を幅広く診療しています。