|芦屋まつおクリニック|阪急芦屋川駅の内科・糖尿病科・内分泌代謝科

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インスリンポンプ研究会に参加してきました

こんにちは。今回、インスリンポンプ研究会に参加してきたので、インスリンポンプについて簡単にまとめてみました。

 

インスリンポンプとの出会い

私が初めてインスリンポンプを知ったのは、大学医局に入局した頃のことです。当時のインスリンポンプは英語表記で、治療経験もなかったため、使い方にとても苦労したのを覚えています(図12)。

 

 

 

 

 

現在ではインスリンポンプの機能が飛躍的に向上し、導入のハードルも下がりました。スマートフォンが使える方なら問題なく操作できるレベルです。当院で取り扱っているのは、メドトロニック社の「ミニメド780G」です(図3)。

 

 

 

 

インスリンポンプが適している患者さん

インスリンポンプ治療が特に有効とされるのは、以下のような方々です(表1)。

 

 

 

 

主に1型糖尿病の患者さんに使用されます。1型糖尿病では自己のインスリン分泌がほとんどないため、1日に何度もインスリン注射を行う必要があります。それでも血糖値の調整が難しいケースも多く、特に重度の低血糖を回避できない方にとってインスリンポンプは大きな助けとなります。

また、食事の内容やタイミングによってインスリンを複数回に分けて投与しなければならない場合でも、インスリンポンプは非常に有効です。

 

インスリンポンプのメリット

インスリンポンプの主なメリットを挙げると次の通りです。

  • より細かいインスリン調整が可能です。持続血糖測定器と連動しており、血糖値の高値・低値にあわせてインスリン量を自動注入してくれます。高血糖であれば、ポンプで投与しているインスリン注入を自動で増量します。また血糖値が下がっているなら、今後の血糖値を予測し低血糖を回避するためにインスリンの注入を自動で中断します(図4)。

 

 

 

 

 

  • 生活スタイルは様々あり、マラソンや運動をする日、休日であまり動かない日など、日々の活動量は毎日違います。そのため、その生活内容に併せてインスリンを調整する必要があります。現在、ミニメド780Gですが上記の通り、血糖値に応じてインスリンの注入を調整してくれるので、多様な生活スタイルにも適応することが可能です。

 

インスリンポンプのデメリット

もちろんデメリットもあります。以下に代表的な例を挙げます。

  • コスト面の負担
    デバイス自体や消耗品の費用が高いため、経済的な負担が患者にかかる場合があります。3割負担の方で一月、インスリンポンプ関係だけで24000円程度医療費がかかります。

 

  • トラブル時の対応
    機器の不具合やカテーテルの閉塞など、デバイス特有のトラブルが発生する可能性があります。不意な高血糖が生じた場合、カテーテルの交換が急に必要になることもあります。ポンプ本体が故障した場合は、一時的にペン型のインスリン注射治療が必要になります。そのためポンプ故障時用にペン型のインスリンも常備しておく必要があります。

 

  • 身体への装着感
    ポンプを常時装着する必要があり、身体的・心理的な負担を感じるかたもいます。

 

インスリンポンプには多くのメリットがありますが、導入には十分な検討が必要です。当院でも取り扱っていますので、興味のある方はぜひスタッフや医師にご相談ください。

 

また、12月に入りインフルエンザが急増しています。当院では発熱外来・隔離室を設け、痛みの少ないインフルエンザ検査(NODOCA)も実施しています。風邪症状のある方はお気軽にご利用ください。

今年も残りわずかとなりました。今年2月に開業し、さまざまなことを経験しました。至らない点もあり患者さんにはご迷惑をおかけしたこともありましたが、来年はさらに頼りにしていただけるクリニックを目指し、スタッフ一同努力してまいります。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。