バセドウ病と橋本病とは?甲状腺の代表的な2つの病気|芦屋まつおクリニック|阪急芦屋川駅の内科・糖尿病科・内分泌代謝科

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バセドウ病と橋本病とは?甲状腺の代表的な2つの病気|芦屋まつおクリニック|阪急芦屋川駅の内科・糖尿病科・内分泌代謝科

バセドウ病と橋本病とは?甲状腺の代表的な2つの病気

みなさん、こんにちは。阪急芦屋川駅前の内科・糖尿病内科「芦屋まつおクリニック」、院長:松尾俊宏(まつおとしひろ)です。

このコラムコーナーでは、私の専門分野である糖尿病や内分泌代謝疾患、肥満症、そして訪問診療や終末期医療などについて、患者さんのお役に立てる情報を発信していきたいと考えています。

 

はじめに

「最近、動悸が続く」「体がだるくて疲れやすい」「体重が急に増えた、あるいは減った」このような症状の背景に、甲状腺の病気が関係していることがあります。

甲状腺は体の代謝を調整する重要な臓器であり、その働きに異常が起こると、全身にさまざまな症状が現れます。

中でも代表的な病気が、「バセドウ病」と「橋本病」です。

どちらも甲状腺に関係する病気ですが、ホルモンの働き方や症状、治療方法には違いがあります。

今回のコラムでは、甲状腺の基本的な役割とともに、バセドウ病と橋本病の特徴について分かりやすく解説していきます。

 

【甲状腺とはどのような臓器?】

首にある小さな臓器

甲状腺は、首の前側、のどぼとけの下あたりにある蝶のような形をした臓器です。

大きさは個人差がありますが、一般的には約15〜20g程度の小さな臓器です。

小さな臓器ですが、体のさまざまな機能を調整する重要な役割を担っています。

 

【体の代謝を調整するホルモンを分泌】

甲状腺は、甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンを分泌しています。

このホルモンには次のような働きがあります。

・エネルギー代謝の調整

・体温の調節

・心拍数の調整

・成長や発達の促進

つまり、甲状腺ホルモンは体のエンジンの回転数を調整する役割を担っているといえます。このホルモンが多すぎても少なすぎても、体にさまざまな不調が起こる可能性があります。

 

【甲状腺の主な病気】

甲状腺の病気にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると次の2つのタイプがあります。

・甲状腺ホルモンが過剰になる病気

・甲状腺ホルモンが不足する病気

代表的な病気が次の2つです。

・バセドウ病(甲状腺ホルモンが過剰になる)

・橋本病(甲状腺ホルモンが不足する)

どちらも自己免疫疾患と呼ばれる病気で、体の免疫システムが誤って自分の甲状腺を攻撃してしまうことで起こると考えられています。

 

【バセドウ病とは】

①病気の概要

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。

その結果、体の代謝が必要以上に高まり、さまざまな症状が現れます。

この状態は甲状腺機能亢進症とも呼ばれます。

比較的若い女性に多い病気ですが、男性や高齢者でも発症することがあります。

 

②バセドウ病の原因

バセドウ病の主な原因は、自己免疫の異常と考えられています。

本来、免疫は細菌やウイルスなどから体を守る役割がありますが、バセドウ病では免疫が誤って甲状腺を刺激する抗体を作ってしまいます。この抗体によって甲状腺が過剰に刺激され、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。

発症には次のような要因が関係しているといわれています。

・遺伝的体質

・強いストレス

・出産

・環境要因

 

③バセドウ病の主な症状

バセドウ病では、体の代謝が高まりすぎるため、さまざまな症状が現れます。

代表的な症状は次の通りです。

・動悸

・手の震え

・発汗の増加

・暑がり

・体重減少

・疲れやすい

・イライラしやすい

・甲状腺の腫れ

また、バセドウ病の特徴として、

・眼球突出

・目の違和感

などの甲状腺眼症がみられる場合もあります。

 

④バセドウ病の治療方法

バセドウ病の治療には主に次の方法があります。

・薬物療法

最も一般的な治療方法です。抗甲状腺薬を使用し、甲状腺ホルモンの分泌を抑えます。通常は数年間の内服治療が必要になります。

・アイソトープ治療

放射性ヨウ素を服用し、甲状腺の働きを抑える治療です。

・手術

甲状腺を部分的または全部切除する方法で、薬物治療が難しい場合などに検討されます。患者さんの状態に応じて、適切な治療法を選択します。

 

【橋本病とは】

①病気の概要

橋本病は、甲状腺に慢性的な炎症が起こる病気で、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。

甲状腺の組織が徐々に破壊されることで、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、甲状腺機能低下症になることがあります。

日本では比較的多い甲状腺の病気の一つです。

 

②橋本病の原因

橋本病も、バセドウ病と同様に自己免疫疾患です。

免疫の異常によって、甲状腺を攻撃する抗体が作られます。

その結果、甲状腺に慢性的な炎症が起こり、甲状腺の働きが徐々に低下していきます。

発症には次のような要因が関係していると考えられています。

・遺伝的体質

・ホルモンバランスの変化

・環境要因

特に女性に多い病気として知られています。

 

③橋本病の主な症状

橋本病では、甲状腺ホルモンが不足することで、体の代謝が低下します。主な症状には次のようなものがあります。

・強い疲労感

・体重増加

・むくみ

・寒がり

・便秘

・皮膚の乾燥

・記憶力や集中力の低下

・月経異常

ただし、初期の段階では自覚症状がほとんどないこともあります。

 

④橋本病の治療方法

橋本病の治療は、甲状腺ホルモンの不足の程度によって異なります。

・経過観察

甲状腺機能が正常で症状がない場合は、すぐに治療を行わず、定期的な検査で経過を観察することもあります。

・ホルモン補充療法

甲状腺ホルモンが不足している場合は、「甲状腺ホルモン製剤(レボチロキシンなど)」を服用し、不足しているホルモンを補います。

適切な治療を行うことで、症状の改善が期待できます。

 

【甲状腺の病気は早期発見が大切】

甲状腺の病気は、初期には症状がはっきりしないことも多く、気づかないまま進行することがあります。

しかし、血液検査などで比較的簡単に診断できる場合も多いため、

・動悸が続く

・原因不明の疲労感

・体重の急な変化

・首の腫れ

などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

 

【まとめ】

甲状腺は体の代謝を調整する重要な臓器であり、その働きに異常が起こると全身にさまざまな症状が現れます。

代表的な甲状腺の病気が、

・甲状腺ホルモンが過剰になるバセドウ病

・甲状腺ホルモンが不足する橋本病

です。どちらも自己免疫の異常が関係していると考えられており、症状や治療方法には違いがあります。

 

当院では、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ医師が、甲状腺疾患の診療を行っています。

 

甲状腺の病気は、適切な検査と治療によってコントロールできるケースも多くあります。

気になる症状がある方は、芦屋まつおクリニックまでお気軽にご相談ください。 院長 松尾